共焦点顕微鏡

共焦点顕微鏡は、光、とくにレーザーを使う事が多い光学顕微鏡の一種ですが、走査型であるため、その方法によっては、リアルタイム観察ができないタイプが多い顕微鏡です。原理は1950年代に出来上がり、いろいろな手法が考えだされ、ひとまとめにできない、1ジャンルとなりました。
開発当時のものは、レーザーもなかったので、通常の光を使う光学顕微鏡の1種という分類になります。走査が必要でしたが、速度も遅く、肉眼で観察するようなリアルタイム観察はできませんでした。
光学系は下記ようになります。
共焦点光学系
共焦点顕微鏡では、照明光の焦点をサンプル上に合わせます。サンプルからの光を対物レンズで結像させます。照明光も焦点で絞るので、共焦点と呼ばれます。
特徴的なのは対物レンズの像の直前にピンホールが置かれる事です。このため、上下左右前後、少しでも、ずれた場所からの光は、まず照明が指数関数的に暗くなるのに加え、さらにこのピンホールでけられ、ぐっと暗くなってしまいます。
焦点がずれているときの共焦点光学系
平面方向では、ピンホールでけられる為に、光学顕微鏡で焦点の周りに発生するぼけを取り除く事ができ、解像度が向上します。
前後方向は、焦点のずれた部分は真っ暗になり、被写体深度の少ない画像が出来上がります。この事を逆手にとって、奥行き方向の解析をおこなったり、連続する焦点位置の画像を積算する事により、奥行が無限大になる観察も行えるようになりました。 (共焦点顕微鏡の見え方参照)
共焦点光学系のピンホールの効果

上記のような、光学系では、その中心部だけを直進する光だけを扱うため、シンプルな構成ですが、サンプル上の1点しか観察することができないため、走査が必要です。研究ではサンプル側を上下左右前後に駆動していたものもありました。光学系が動かないので、多くのメリットもありましたが、質量の大きなサンプルを高速で走査するには、大きな力が必要となります。

生物への応用では、蛍光染料で染めた試料を共焦点顕微鏡で観察することにより、蛍光でありがちな、ぼやっとした画像を、鮮明に、立体的に捉えることができるようになりました。蛍光観察では、通常の蛍光顕微鏡と同様に、照明光で励起された蛍光をピンホールの上で結像し、ピンホールを通過した光だけを観測します。この装置は広まり、1980年ごろ迄は、共焦点顕微鏡=蛍光顕微鏡と言うイメージが強かったようです。