虫眼鏡の歴史

虫眼鏡はもっとも単純な形の顕微鏡と言えるでしょう。

最古のレンズは、イラクのNinevehにある遺跡から発掘された紀元前6世紀とおもわれる出土品とされています。これは、1853年にイギルスのブリュスター卿が英国先進技術協会でレンズであると発表したものです。この出土品は確かにレンズとして機能しましたが、今では、出土したときの状況から、家具などの装飾品と考えられています。ちなみにブリュースターは反射や偏光のブリュースターの法則を発見した人物です。大英博物館 The Nimrud Lens

Wikipedia には、拡大する目的で使われたレンズとして、最初に記録があるものとして、「紀元前5世紀(8世紀の記述もある)のエジプト象形文字に"simple glass meniscal lenses "と書かれている」と記述があります。
英語で眼鏡はglassesと複数形なので、このglassは素材としてのガラスとなります。しかも、lensesは複数形で、simpleとmeniscalが修飾しているという難解な単語になっています。meniscal lensがメニスカスレンズなら、古代ではとても"単純な"とは言えません。推測するに、この筆者は一方が平面である(三日月型断面の)平凸レンズを専門用語を使わずに、表現したと思われます。この象形文字の画像自体があれば、はっきりするのですが、どのように複数のレンズが使われていたかは、見つける事ができませんでした。

オリンピック聖火の採火では、凹面鏡が使われている事を考えると、レンズは、光学部品でも後発と言えそうです。しかも、イスラム教圏で発達して、キリスト教圏へ11世紀以降に伝わっています。中世の西欧はすっかり科学の発展が止まり、他の地域に置いていかれていたようです。

平凸レンズとメニスカスレンズ

【語源】
虫眼鏡のガラスの部分は、レンズと呼ばれます。レンズの語源はレンズ豆です。レンズが先でなく、レンズ豆が先というのは、驚きです。レンズ豆は、真ん中が厚く、縁がうすい、皿を二枚合わせた形をしている大きさが5〜6ミリの豆です。日本人には非常に小さな「どら焼き」をイメージすると分かりやすいでしょう。文字通りレンズの形をした豆です。イタリア料理などでも使われますので、食べた事がある方も多いでしょう。